千島列島 一般旅行者の費用負担で科学者が調査を行うプロジェクト実施

千島列島

9月4日に開催された東方経済フォーラムのセッションにおいて、有限会社「スモトリ・エクスペディツィー」のイリーナ・サユティナCEOは、科学研究と旅行を組み合わせたプロジェクトにより、科学者らが遠隔地のクリル諸島(千島列島)の無人島などで研究調査を行っていると発表した。

サユティナCEOによると、このプロジェクトは科学、メディア、旅行を融合させたもので、一般の参加者(商業遠征の参加者)を募ることで、科学者が通常は到達困難な地域へ赴くことを可能にしている。

同社は、2シーズン足らずの間に33回の海洋遠征を完了しており、そのうち14回はクリル諸島で行われた。昨年、クリル諸島プロジェクトには1,700万ルーブル(約3,100万円)の投資が集まったが、今年はその額が倍増している。

「私たちは『一緒に旅ができるメディア・プロジェクト』と呼んでいます。科学、メディア、旅行を組み合わせたコンセプトです。一般参加者の費用負担によって、科学者たちが最もアクセスしにくい場所へ行き、調査する機会を得られる仕組みになっています」

同CEOの報告によると、2シーズンの間に遠征参加者によって4つの科学的発見がなされた。例えば今年、モネロン島(サハリン・ネベリスク地区)で300頭近いトドの幼獣が発見され、同島は繁殖地として指定されることになった。ロシア国内のこうした繁殖地はこれで11カ所となる。

​​また、クリル諸島の無人島で初めて1,000点以上の地衣類サンプルが採取され、そのうち500点以上が新種として記載される見込みである。

課題としてサユティナ氏が挙げたのは、クリル諸島における海洋観光が法的に「観光商品」として認められておらず、そのため事業者が優遇措置を受けられないという点だ。さらに、カムチャツカやムルマンスク州ではすでに導入されている海洋哺乳類の観察に関する規制が、クリル諸島には存在しないことも指摘された。サユティナ氏は、繁殖地における動物の負傷や幼獣の死を防ぐため、サハリン州でも同様の規制を策定するよう求めた。

同氏はまた、クリル諸島を訪れるクルーズ船に対し、南極と同様の規制を導入することも提案した。これは、ホッキョクギツネが生息するヤンキチャ島(クリル諸島中部に位置する無人の火山島)など、特に環境的に脆弱な地域への大人数での上陸を制限するためのものだ。(interfax-russia.ru 2026/9/4)

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