プーチン大統領も視察した択捉島キトヴィ村(内岡)にある水産加工施設「ヤースヌイ」にある漁船が水揚げを行う魚揚場はカモメにとって、タダで魚にありつける「楽園」であり、まさに食べ放題のビュッフェのような天国だ。
問題なのは、この図々しい鳥たちが「選り好み」をすること。彼らは魚の「目玉」だけをついばんでしまうのだ。これはまさに鳥による「略奪行為」と言える。「目玉」を失った魚は規格外品となり、「損傷品」として扱われてしまう。
そこで立ち上がったのが、同施設の技術スペシャリストであり、熟練の職人、そして根っからのアーティストでもあるエドゥアルド・ビリンキン氏だ。彼はこの鳥たちによる「無法状態」を目の当たりにし、抜本的な対策を講じることにした。敷地内に転がっていたプラスチックの廃材を使い、オジロワシを模した鳥の模型を製作。そして、この手作りの「空の王者」を桟橋に設置したのだ。その出来栄えは驚くほどリアルで、本物のオジロワシと見紛うばかり。
電源に接続されたその模型は、まるで上昇気流に乗っているかのように、定期的に翼を羽ばたかせる。この「警備隊長」の姿を見つけると、カモメの群れは急旋回して逃げ去っていく。こうして、魚たちは守られることになったのである。これぞまさに、現場発のエンジニアリングと言えるだろう。低コストで実用的、そしてどんな超音波式撃退器よりも効果的だ。(択捉島の地元紙「赤い灯台」2026/9/27)




