ロシアのテレビ局「チャンネル・ワン」の司会者が千島列島中部のウシシル島(宇志知島)に生息する絶滅危惧種のホッキョクギツネ(青狐)に餌を与えている動画をSNSに投稿したことに対して、千島列島で科学と探検レクリエーションを融合させたロシア発の科学観光と海洋旅行のプロジェクトを進めている「ウォッチ・エクスペディションズ」がSNSで批判した。
「クリル諸島で活動するツアー会社の利用客が、野生動物に餌を与えている動画をSNSで頻繁に見かけます。中には、数百万人のフォロワーを持つブロガーのイダ・ガリチ氏や、有名な旅行家のアントン・カナビエフスキー氏などが投稿したものもあります。そして、何百万人もの人々がそれを見ているのです……。しかも、これはホッキョクギツネだけでなく、トドやキタオットセイ、その他の野生動物(レッドブック掲載種)にも及ぶ問題です。今回、チャンネル・ワンの旅行番組『Poyekhali!(さあ、行こう!)』の司会者であるカーチャ・ムスカティナ氏が、規制対象となっているSNSにそのような動画を投稿しました。彼女はいくつかの動画でホッキョクギツネに餌を与えており、フォロワーに対して、キタオットセイに餌を与える様子も近いうちに見せると約束しています」–。
野生動物はあくまで野生のままであるべきであり、簡単に餌を得られる状況は彼らにとって有益ではないと指摘した。「餌付けは彼らの自然な行動を変え、人間に慣れさせ、食生活を乱し、健康や命を脅かす恐れがあります。私たちはこれまで、こうした投稿に対し、なぜそれを行うべきではないのかを説明する丁寧なコメントを繰り返し寄せてきました。科学者たちがツアー会社の担当者に対して説明や対話を行ってきたことも知っています。それにもかかわらず、年ごとに同じような事態が繰り返されているのです」と投稿は続けられ、今回の件や同様の事例を広く周知するよう呼びかけた。
一方、カーチャ氏は自身のチャンネルでコメントし、「ホッキョクギツネを研究している科学者たち―まさにマイクロチップを装着した当の本人たち―は、野生動物への餌付けを禁止していない」と反論している。(sakh.online 2026/10/11)

※「ウォッチ・エクスペディションズ」は、「自然と人々財団」やモスクワ動物園などと協力し、ホッキョクギツネの遺存亜種を保全する調査プロジェクトに取り組んでいる。同財団のウェブサイトによると、この亜種はロシアのレッドデータブックに記載されており、現在はメードヌイ島(コマンドルスキー諸島)と、クリル諸島中部のウシシル島を構成するヤンキチャ島(南島)とリポンキチャ島(北島)という、互いに隔絶された2つの地域にのみ生息している。


