ロシアのプーチン大統領が択捉島を訪問した際、クリリスク(紗那)にあるロシア正教会の主任司祭であるロマン神父が、大統領と面会し言葉を交わす機会を得した。面会はクリル中等学校の校庭で行われ、会話は同校の近くで建設が進められている「聖使徒ペトロ・パウロ教会」を中心に展開された。
ロマン神父は「ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ(大統領)は、島民の精神生活について尋ねられました。私は『神に栄光あれ!信仰は一人ひとりの心の中にあり、人々は神からのこの呼びかけに応えています……』と答えました。私たちは建設中の教会(聖使徒ペトロ・パウロに捧げられる教会)や、その下層部分(下堂)が至聖三者に捧げられることについて話し合いました……。ウラジーミル・ウラジーミロヴィチは知事(ヴァレリー・リマレンコ氏)の方を向き、この善き事業への支援を求めました」。ロマン神父は、大統領との面会を「クリール諸島の教会共同体にとって歴史的な出来事」と評しました。
漁師の守護聖人である聖使徒ペトロ・パウロに捧げられる同教会の建設は、2025年5月31日、教会の基礎部分に建設趣意書を収めたカプセルを埋設する式典とともに開始された。この式典には、ニカノール大主教、ヴァレリー・リマレンコ知事、地元の漁業会社「コンチネント」社の創設者で慈善家のユーリ・オクセニュク氏らが参加した。
2025年の建設シーズン中には、基礎のコンクリート打設と地下階の構築が行われた。その後、冬期に向けて現場は一時閉鎖され、春に建設が再開された。年内に建設チームが取り組むべき課題は、地下壁の防水処理、特殊素材による断熱、そして埋め戻し作業だ。これらの工程を経て初めて、モノリシック・コンクリートを用いた階段や1階部分の壁の建設が行われることになる。
なお、聖使徒ペトロ・パウロ教会の建設は、「コンチネント」社の創設者であるユーリ・オクセニュク氏からの資金援助と、地元住民(その多くは同社の従業員)からの寄付によって進められている。クリリスクで建設中の教会は択捉島で最大規模のものとなり、地上3階建て、高さ23.5メートル、最大300人の信者を収容できる施設となる予定だ。現在の経済状況を鑑み、完成時期が2028年に延期されていたが、大統領との会談を受けてこのスケジュールが見直される可能性がある。
同島には他にも、「神現教会」や「聖大殉教者テオドロス・ストラテラテス礼拝堂」(「ウクライナ特別軍事作戦」に従軍した兵士たちを追悼してアレクサンドルとドミトリーのゴルチャエフ兄弟が建立し、2024年12月に聖別式が行われた)が存在する。2000年代初頭には「コンチネント」社がゴリャチエ・クリュチに「聖ゲオルギオス教会」を建設したほか、今年に入ってゴルノエ村では、将来建設される「聖アレクサンドル・ネフスキー教会」の頂上に設置される十字架の聖別式が執り行われた。(択捉島の地元紙「赤い灯台」2026/8/15)



