国後島観光の魅力カレンダー

国後島の話題
「ゴロヴニン火山(泊山)カルデラ」のヒメシャクナゲ(写真ナタリア・ストゥピナ)

国後島のクリル自然保護区は、過去10年間の保護区トレイルへの訪問者数統計と、島の自然に関する情報をまとめた。保護区への訪問者数は着実に増加しており、2025年には1984年の設立以来最多となる7,100人を超えた。この数字は、同地区の中心地であるユジノクリリスク(古釜布)の人口を上回る。国後島を訪れる観光客の総数も増加傾向にあり、当然ながらその数はさらに多くなる。

下のグラフが示すように、保護区(および国後島全体)への観光客の訪問には季節性がある。シーズンは4月後半に始まり、11月末まで続く。冬の期間に島を訪れることは稀だ。訪問者数がピークに達するのは8月と9月。以下の図や情報は、国後島への旅行を計画されている人が、保護区のトレイルや緩衝地帯(バッファーゾーン)でのエクスカーションが持つ一年を通じた魅力を理解するのに役立つだろう。

4月–透き通るような森の景色、雪の間から顔を出す緑のササ、千島特有の植物(ザゼンソウ、ミズバショウ、フキ)の開花、春の渡り鳥の到来、ヒバリのさえずり、タンチョウ。

5月– 葉の展開と柔らかな新緑、野生のサクラ(カラフトザクラやチシマザクラ)の開花、カムチャツカ・エンレイソウの開花、海上ツアーでのホエールウォッチング、タンチョウやタシギの求愛行動の観察、バードウォッチング。

6月–野生のホオノキ(Magnolia obovata)の開花、ゴロヴニン火山(泊山)カルデラ内でのイソツツジ(Ledum palustre)の群生と開花、希少種であるアカエゾマツ(準固有種)の若芽の活発な成長と花粉の飛散、アオバトの鳴き声やバードウォッチング、日中の潮位が最も低くなる時期。

7月–緑が深まり、背の高い草木が最も生い茂る時期。人の背丈ほどもある巨大な傘のような葉を持つフキ(Petasites japonicus、現地では「クリル・ゴボウ」と呼ばれる)。アヤメ、キスゲ、エゾスカシユリの開花。ツルアジサイ(Hydrangea petiolaris)の開花開始。ミヤママタタビ(Actinidia kolomikta)の葉がピンクと白に色づく。海岸沿いでのハマナス(Rosa rugosa)の開花開始。キツネとの遭遇。

8月–一年で最も暑い月であり、夜間の気温も高い時期。オホーツク海や太平洋での海水浴。晴れた日には海岸の砂が焼けるように熱くなる(チャチャ岳=爺爺岳へのトレイルがある太平洋側は黒砂、ペシャノエ湖=東沸湖のトレイルがあるオホーツク海側は黄色や多色の砂)。ノリウツギ(Hydrangea paniculata)の低木が一斉に開花する。サケの産卵シーズン。海岸でのキツネの姿。ゴロヴニン火山カルデラ内でのシマリスの姿。

9月–サケの産卵シーズンの最盛期。産卵のために川へ入る河口付近ではヒグマ、キツネ、アザラシ、オジロワシの姿が頻繁に見られるようになり、ハイマツの茂みにはシマリスが現れる。夏の終わりが近づき、リンドウなどの晩夏の花々が咲き誇る。オホーツク海や太平洋での水泳も楽しめる。

10月–「黄金の秋」、色とりどりの森。10月最初の週末にはバードウォッチングのイベントも。サケの産卵シーズンは続き、温泉に浸かるのにも最適な時期。10月下旬には大量の落葉が見られ、晩秋へと移り変わる。

11月–澄み切った空気、迫力ある秋の嵐。噴気孔から立ち上る煙を観察するのに絶好の条件が整う。ヒグマの足跡も多く見られ、越冬のためにオオワシやオオハクチョウが大量に飛来する。秋の渡り鳥のシーズンも本格化し、バードウォッチングが楽しめる。11月下旬には初雪が降る。

なお、保護区内のトレイル(「ゴロヴニン火山カルデラ」、「チャチャ火山」、「ペシャノエ湖」、「プチチイ滝=ソコボイ滝」)を訪れるには、保護区への入域許可が必要。また、地元住民以外の観光客は国境地帯への立ち入り許可証も必要となる。保護区のスタッフがガイドツアーを行い、南クリル諸島の自然の名所や動植物について解説・案内している。(クリル自然保護区ウエブサイト2026/7/24)

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