太平洋プレートはいかにして国後島の火山と熱水系を生み出すのか–ロシア科学アカデミー極東地質研究所が現地調査

国後島の話題
国後島メンデレーエフ火山の北東部噴気地帯における調査隊(2026年7月6日ミロン・キセレフ)

7月24日、ロシア科学アカデミー極東支部・極東地質研究所(FEGI、ウラジオストク)の調査隊が、国後島のクリル自然保護区との科学協力協定に基づき実施していた現地調査を終了した。今回の調査は、3週間にわたって行われた。5名の研究者が、クリル国立自然保護区および国後島の隣接地域にある熱水系について、詳細な同位体地球化学マッピングを実施した。調査は、ロシア科学財団(RSF)によるロシア・中国共同プロジェクトへの助成金によって実現した。中国の研究者チームがチベットにおける衝突プロセスや中国北東部の長白山(白頭山)スーパーボルケーノを研究する一方で、ロシアの科学者たちはクリル島孤(千島弧)を調査している。この共同研究の目的は、地球上の大きく異なる4つの地球力学的環境において熱水系がいかにして形成されるかを比較し、地球内部における地球規模の物質循環を理解するという根本的なものだ。

キピャシチェエ湖(ゴロヴニン火山カルデラのポントウ沼、2021年9月28日エレーナ・シチプコワプ)

遠征隊長のイワン・ブラギン氏は「クリル諸島の火山活動は、太平洋プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むというプロセスと直接結びついています。沈み込んだ堆積岩から放出される水に促され、プレートは深部で融解し、地殻に向かって上昇する超高温の流体を生成します。これらの流体は周囲を溶かしながら上昇し、火山を形成するマグマ溜まりを作り出します。クリル弧の中で研究者が最もアクセスしやすく、それゆえに最も詳細に研究されている国後島を含め、この列島全体がそのようにして形成されました。私たちの目的は、新しい鉱泉を発見することではなく、特定の火山構造に関する詳細なデータを収集することでした。例えばゴロヴニン火山(泊山)では、カルデラ湖周辺地域の包括的な調査を行いました。様々な地熱地帯を比較することで、局所的なマグマ活動や火山活動が衰退していく方向性を明らかにしようとしています」と説明した。

チームの各メンバーは、それぞれ欠かせない役割を担っている。グループリーダーのイワン・ブラギン氏(地質・鉱物科学候補)とアンドレイ・パヴロフ氏(ロシア科学アカデミー極東支部極東地質研究所)は、水溶液の分析を担当する水文地球化学の専門家。博士課程の学生であるミロン・キセレフ氏は基盤岩を研究し、エレナ・ジッパ氏(地質・鉱物科学候補)は石油地質・地球物理学研究所トムスク支部の代表として、シベリアの水文地質学派ならではの視点をプロジェクトにもたらしている。国後島の地理と生態に関する主任専門家を務めてフョードル・ロマニュク氏(生物科学候補)は島を熟知しており、非常に複雑なルートでの移動を調整する役割も担っている。野外実験室の技術的な設営は、遠征の準備段階から参加していた主任技術者のナタリア・エキモワ氏が担当した。

FEGI遠征隊(国後島2026年7月6日)

7月の3週間にわたり、グループはストルボフスキー、トレチャコフスキー、ドブリ・クリュチの各温泉(湧水地)で調査を行った。ゴリャチー・プリャージ(瀬石)の熱水域、メンデレーエフ火山(羅臼山)の北西および北東の噴気地帯、そしてゴロヴニン火山のカルデラ。

科学者たちの主な目的は、流体をマントル由来、地殻由来、および大気由来の成分に分別すること。酸性度(pH)、酸化還元電位(Eh)、電気伝導度(EC)といった変動しやすいパラメータは、温泉地で直接測定された。また、置換法と「水封(ウォーターシール)」法を用いた深部ガス採取のプロセスも注目に値する。大気との接触を防ぐため、ガラス瓶を温泉水で満杯にし、沸騰している泉の中で逆さまにする。上昇してくるガスを漏斗で集めて瓶の中に導き入れ、中の水を押し出す。その後、水中でゴム栓をして密閉し、電気絶縁テープで固定する。

キピャシチェエ湖の熱水噴出孔でサンプル採取(2026年7月13日ミロン・キセレフ)

野外調査後のデータ処理は、チームが極東地質研究所に帰還次第直ちに開始され、国内の主要な研究所のネットワークを活用して進められる。ウラジオストクでは、水サンプルについて、主要元素および微量元素、有機・無機炭素、そして水素・酸素・炭素・硫黄の安定同位体の分析が行われる。また、そこでは二次鉱物のX線構造解析も実施される。この工程は極めて重要だ。硫黄の同位体分析に回す前に、溶液から沈殿した物質が副生成物ではなく、確かに硫黄であることを確認する必要があるからだ。ガス相の分析はモスクワの地質学研究所が担当し、二酸化炭素中の炭素13や窒素15の検出が行われる。高精度ヘリウム同位体測定を含む一部の専門的な分析については、中国のパートナー機関が所有する最先端の機器を使用して実施される予定。

国後島は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む「沈み込み帯」の典型的な例である。メンデレーエフ火山は比較的よく研究されている火山だが、同時に、絶えず変化し続ける「生きた」存在でもある。遠隔地である北西部の調査では、驚くべき変化が確認された。つい最近まで沸騰する温泉が湧き出ていた場所から、今では氷のように冷たい水が流れているのだ。それでも、硫黄の堆積物が、そこがかつて「活発」であったことを如実に物語っている。つまり、この火山は熱の活動中心を移動させているのである。

科学者たちは、活動中の噴気孔と活動を停止した場所の硫黄同位体組成を比較することで、マグマ溜まりの進化の過程を解明しようとしている。地殻変動による応力は、地下のマグマ溜まりを水平方向に移動させることがある。これは数百万年にも及ぶ可能性のある緩やかなプロセスだが、こうした変化を特定することは基礎科学における重要な目標の一つだ。ガスや同位体のデータは極めて重要な手がかりとなる。それらが示すシグナルによって、科学者は火山システムの熱源の動きをモデル化できる。

調査後のデータ分析は2026年末まで続けられる予定だ。今後の計画には、国後島北部の遠隔地への調査も含まれている。(クリル自然保護区ウエブサイト2026/7/31)

メンデレーエフ火山北東部の噴気孔地帯(2023年7月2日セルゲイ・ステファノフ)

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