クリル諸島の国後島で、銀色がかった珍しい毛色を持ち、2つの異なる種の身体的特徴を併せ持つクマが確認された。そのうちの1頭は、ユジノクリリスク(古釜布)の住宅のすぐそばで目撃されている。ロシアの功労生態学者であり、ロシア自然科学アカデミー(RAE)の会員でもあるアナトリー・クダクチン氏が『イズベスチヤ』紙に明かした。
問題のクマは銀色がかった毛並みを持ち、ホッキョクグマに特有の身体的特徴を一部備えている。こうした個体の存在は、以前から国後島で知られていた。科学的な調査によっても、それらが交雑種であることが示唆されている。銀色がかったヒグマ3頭から採取したサンプルの遺伝子解析の結果、ホッキョクグマとヒグマの両方を祖先に持つことが確認されたのだ。
※「イズベスチヤ」紙の記事の最後には「ホッキョクグマ研究プロジェクト『マスター・オブ・ザ・アークティック(北極の主)』のコーディネーターであるアンナ・スボティナ氏は、これら2種の自然交配によって生まれた子孫の存在を示す科学的証拠は、現時点では存在しないと指摘している」とある。
クダクチン氏によると、これら2種の生息域の重複は数十年前から確認されていた。ホッキョクグマがヒグマの生息域に足を踏み入れることは稀だが、特にロシア北部などでは、そうした遭遇が実際に起こっている。
同氏は、気候変動がこれら動物同士の接触頻度を高めている可能性があると考えている。現時点ではホッキョクグマがヒグマの生息域に入り込む例は稀だが、将来的には交雑種の数が増加する可能性がある。
国後島の「銀色のクマ」(※日本では「白いヒグマ」といわれる)は、科学者たちの強い関心を集めている。その珍しい外見については長らく議論が続いてきたが、遺伝子研究の結果により、それがホッキョクグマとヒグマの交雑に起因するものであるという根拠が示された。(sakh.online 2026/9/24)

国後島でホッキョクグマとヒグマのハイブリッド(交配種)が目撃された。ハイブリッド種は人間に脅威をもたらすのか?(イズベスチヤ2026/9/24)
ロシアでホッキョクグマとヒグマの交配種(ハイブリッド)が目撃された。科学者によると、この個体はクリル諸島の国後島で確認された。地球温暖化の影響でこれら2種の生息域が重なることが増えており、専門家は以前からその子孫の誕生を予測していた。科学者によれば、新しい白と茶の混血種は、食性においてより選り好みをする傾向があるという。カナダではグリズリーとホッキョクグマの同様の交配種がよく知られており、「ピズリー」と呼ばれている。一方、この秋、ロシアの各地域ではヒグマによる人への襲撃が異例の多さで報告されている。昨日も、ハカス共和国のある都市がクマに包囲される事態となった。
ホッキョクグマとヒグマの交配種
クリル諸島の国後島でホッキョクグマとヒグマの交配による新たなハイブリッド種の出現が確認された。ロシア連邦功労生態学者でありロシア自然科学アカデミー会員のアナトリー・クダクチン氏が「イズベスチヤ」紙に語った。
同氏は「同様の動物は、すでに人工授精によって作り出されています。私は1980年代後半の時点で、両種の生息域が重なっていることに気づいていました。交配はごく自然な現象であり、今後も続くでしょう。これら2種は繁殖行動や食性が異なりますが、種としての大きな違いはありません」と説明した。

現在、ホッキョクグマがヒグマの生息域に入り込むことは比較的稀だ。そうした事態は主にタイミル半島やその他の北部地域で見られる。しかし、地球温暖化に伴い、こうした事例はますます一般的になるとみられる。50年後には、ハイブリッド種が当たり前の存在になっている可能性があると、同氏は付け加えた。
クリル自然保護区の一部である国後島には、多数のヒグマが生息しており、その数は現在約100頭に上る。その中には、ホッキョクグマに特有の特徴を持つ、銀色がかった個体も含まれている。ある科学的説によれば、ホッキョクグマが氷を伝って島に渡り、現地のヒグマと交配して、珍しい特徴を持つ子孫が生まれた可能性がある。自然保護区のデータによると、こうした個体は島に生息するクマ全体の5〜8%を占めている。ユジノクリリスク(古釜布)の民家で目撃された例さえある。
「大統領自然基金」の専門家評議会のメンバーであるアルチョム・アクシンツェフ氏も、ロシア国内にすでにホッキョクグマとヒグマの交配による子孫が存在するという見解に同意している。
「ホッキョクグマは南の地域へと移動しています。食性が変化し、現地のヒグマと交配することで、ハイブリッド(交雑種)が生まれているのです。こうした事例が最初に報告されたのは北米で、そこではホッキョクグマとグリズリー(ハイイログマ)が交配しています。それらは『ピズリー』と呼ばれていますが、これは英語の『polar(ホッキョクグマ)』と『grizzly(グリズリー)』を組み合わせた造語です。ロシアでは、こうした交雑種に対する定着した名称はまだありません」と同氏は述べている。
同専門家によれば、客観的な証拠も存在する。野生動物写真家によって、こうした動物が時折撮影されているのだ。ただし、これらは今のところ散発的な事例に過ぎず、個体数に関する統計を論じるのは時期尚早と言える。

ホッキョクグマとヒグマの交雑種はどのような行動をとるのか?
ロシアで見られるこの交雑種は、両親である2種の特性を併せ持ち、独自の行動パターンを形成する可能性がある。専門家によると、ヒグマとは異なり主に動物を餌とするホッキョクグマは、人間を「獲物」とみなすことがあるため、交雑種も同様の認識を持つ恐れがあるという。
アルチョム・アクシンツェフ氏は「ヒグマは人間を警戒し、通常は獲物とはみなさず、脅威を感じた場合にのみ攻撃してきます。一方、ホッキョクグマは人間を含むあらゆる有機物を標的とし得ます。この交雑種が行動やその他の特性において、どちらの親に近い性質を示すことになるかは、今後の観察を待つ必要があります」と語る。
夏の終わりから秋の初めにかけて、ロシアではクマによる人身被害が相次いだ。40以上の地域でクマが居住エリアに出没し、特に東シベリアや極東地域では深刻な事態となった。中には死者が出るケースもあり、8月以降、すでに17人が犠牲になっている。
9月23日の夜、ハカス共和国のアバザ市で、市内の各地にクマが出没した。ドミトリー・ブチェニク副知事は、この状況を「クマによる包囲」と表現した。「タイガ(針葉樹林)に囲まれたこの町は、事実上クマに包囲されています。あらゆる方向からクマの出没が確認されました。一部は追い払われましたが、3頭が射殺されました。そのうちの1頭は巨大な個体でした」
今シーズンに入ってから、ハカス共和国では危険な行動をとったとして、少なくとも16頭のクマが射殺された。隣接するクラスノヤルスク地方でも、ロシア連邦捜査委員会(同地方およびハカス共和国担当)によると、ヒグマの襲撃により6人が死亡している。9月に入ってから、居住地域内やその周辺でのクマの目撃情報は123件に上る。トムスク州でも2人が死亡した。

クマの交雑種は今後一般的になるのか?
本来、ホッキョクグマとヒグマの生息域が重なることはほとんどなかった。気候変動や北極の氷の融解により、ホッキョクグマは従来の食料源を失って南への移動を余儀なくされている一方、ヒグマは逆に北へと移動している。RUDN大学(ロシア・パトリス・ルムンバ記念人民友好大学)パトリス・ルムンバ生態学研究所の環境安全・製品品質管理学科准教授であり、CIS(独立国家共同体)加盟国環境教育基本機関の諮問委員会メンバーでもあるウラジーミル・ピナエフ氏が、イズベスチヤ紙に語った。
「カナダ北部では『ピズリー(ホッキョクグマとヒグマの交雑種)』が繰り返し目撃されており、2000年代初頭から小規模な個体群が存在しています。ロシア国内においても、ホッキョクグマとヒグマの生息域が重なるヤクート(サハ共和国)北部では、すでにこうした交雑種が出現している可能性があります」
RUDN大学自然科学部化学・生物学科の学芸員であるクセニア・レベデワ=ゲオルギエフスカヤ氏は、イズベスチヤ紙に対し、遺伝的に近縁な種同士の交雑によるハイブリッドは自然界において珍しいことではないと語った。こうした交配から生まれた個体は、動物園で見られることもある。
「彼らは親とは異なり、ホッキョクグマとヒグマの中間的な形態的特徴を持っています。体格はホッキョクグマより小さくヒグマより大きく、頭蓋骨の大きさも、ホッキョクグマの巨大な頭蓋骨とヒグマの華奢な頭蓋骨の中間程度です。ハイブリッドはホッキョクグマのような長い首を持っていますが、肩の盛り上がりはヒグマのように小さいのが特徴です」と説明した。
「ピズリー」の毛並みは、幼い頃はホッキョクグマに近いが、成長するにつれて色が濃くなっていく。足はホッキョクグマと同様に毛で覆われている。専門家によると、その行動もホッキョクグマを彷彿とさせるものだという。
一方で、ホッキョクグマ研究プロジェクト「マスター・オブ・ザ・アークティック(北極の主)」のコーディネーターであるアンナ・スボティナ氏は、これら2種の自然交配によって生まれた子孫の存在を示す科学的証拠は、現時点では存在しないと指摘している。


