北海道新聞記者のスーツケースにはイヴァン・ブーニンの著書が入っていた

日ロ関係
FSBが公開した動画に映し出された記者のスーツケース

サハリンで、スパイ容疑により日本人ジャーナリストが拘束された。FSBによると、拘束されたのは北海道新聞の特派員である日本国籍の人物だが、氏名は公表されていない。このジャーナリストはロシアからの出国を前に、ユジノサハリンスクで拘束され、その後モスクワへ移送された。

各通信社によると、同氏の逮捕は、日本政府がロシアのハッカー集団「キリン」のメンバーをベルリンへ引き渡したというニュースと前後して発表された。日本当局は5月、この28歳のロシア人を拘束していた。彼は、2024年9月にドイツの物流企業に対して行われたサイバー攻撃に関与した疑いが持たれている。「キリン」はランサムウェアの一種であり、北朝鮮に関連するハッカーらによって使用されているとされる。

国際ハッカー集団の中心メンバーでロシア国籍の男、日本の捜査当局が国内で身柄拘束…ドイツへ身柄引き渡し(読売新聞2026/10/6)

国際ハッカー集団「Qilin(キリン)」の中心メンバーでロシア国籍の男(28)について、日本の捜査当局が国内で身柄を拘束していたことがわかった。ドイツ当局が企業への恐喝容疑で捜査している人物で、日本側は今月2日、ドイツ側に身柄を引き渡した。

関係者によると、男はドイツ国内にある企業のデータを暗号化して身代金を要求し、暗号資産を脅し取った疑いがある。

日本の捜査当局は逃亡犯罪人引渡法に基づき、今年5月、大阪市内で男の身柄を拘束。その後、東京高裁がドイツへの引き渡しを認める決定を出したという。

セキュリティー会社「三井物産セキュアディレクション」(東京)によると、キリンは2022年頃からの活動が確認されており、今年9月までの1年間に関与を主張したサイバー攻撃は計約1500件に上る。

昨年9月、アサヒグループホールディングスが身代金要求型ウイルス「ランサムウェア」による攻撃を受けた際にも犯行声明を出していた。

ロシアで日本人ジャーナリストがスパイ容疑で拘束されたのは、2019年以来のことである。当時、そのジャーナリストはロシア極東の軍事能力に関する機密情報を入手しようとした疑いが持たれ、国外追放処分を受けた。

ロシア当局は、拘束した外国人を、海外で訴追・拘束されているロシア人との交換材料に利用することがある。例えば2023年には、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の記者エヴァン・ゲルシュコヴィッチ氏がロシアでスパイ容疑に問われ、裁判所から禁錮16年の判決を言い渡された。ゲルシュコヴィッチは2024年、西側諸国との捕虜交換で釈放された。

FSBは監視カメラの映像を公開した。拘束された人物の顔にはぼかしが入れられている。映像からは、FSBの捜査員がホテルでこのジャーナリストの身柄を確保した様子がうかがえる。また、所持していた機器のロックを解除するよう強要される場面や、スパイ容疑を突きつけられて驚く様子も記録されている。

FSBによれば、拘束された人物はロシア軍関係者に関する情報を収集していたという。同庁は、このジャーナリストが日本の情報機関のために活動し、クリル諸島(※北方四島)の住民の中から、ウクライナでの戦争に動員された人々や志願兵の数に関するデータを収集していたと主張している。

モスクワのレフォルトヴォ裁判所の記録によると、拘束されたのは〇〇〇〇(34歳)氏である。同氏は10月13日、スパイ容疑(ロシア連邦刑法第276条)で逮捕された。有罪となった場合、最高で禁錮20年が科される可能性がある。

報道機関「オストロージノ・ノヴォスティ」によると、同氏は2014年からロシアを度々訪れており、直近では2026年夏にロシアに入国していた。同氏はサンクトペテルブルク国立大学に留学した経験があり、モスクワやサンクトペテルブルクを訪れた際の写真を公開していた。また、ロシア文化に加え、「ソ連時代の軍事装備」にも多少の関心があったことを認めていた。逮捕時の様子を捉えた映像には、このジャーナリストのスーツケースが映っており、その中にはイヴァン・ブーニンの著書が入っていた。

「オストロージノ・ノヴォスティ」によると、このジャーナリストは最近、ロシア連邦議会下院(国家院)選挙や、ハバロフスクに建立された対日戦勝記念碑に関する記事を執筆していた。また、ロシアと北朝鮮の関係強化についても取り上げていた。

前回の取材旅行で、同氏は沿海地方を訪れ、現地の児童芸術センターなどを視察した。さらに、日本在住のロシア語話者へのインタビューを行い、極東での生活や日ソ戦争、日露間の友好関係などについて聞き取り調査を行っていた。

同氏の最新記事は10月5日に公開された。これはユジノサハリンスクからの報告記事で、同地域における北朝鮮市民の存在について論じている。(meduza.io 2026/10/13)

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