北方四島の「サケ漁業経済」は崩壊しつつある 今年の漁獲量460トン、2024年の10分1

択捉島の話題

極東におけるベニザケの漁期は、事実上終了した。現在獲れているのは南クリル海域(北方四島周辺)のシロザケのみだが、その漁獲状況も芳しくない。460トンという数字は、昨年の2倍だと言えるかもしれないが、過去数年と比較すれば、ほんのわずかな量に過ぎない。2024年の同時期には、10倍もの漁獲量があったのだ。

今年のシロザケ漁は、期待を大きく裏切る結果となっている。サハリン州での漁獲量は4,500トンにとどまり、昨年(14,300トン)を大きく下回った。カラフトマスなど他のサケ類を含めても、州全体での今年の漁獲量は12,000トンに過ぎない。ちなみに2025年は21,000トン、そして以前は「不漁の年」と呼ばれていた2024年でさえ、51,500トンもの漁獲があった。

問題は「魚がどこへ行ったか」ではなく、「なぜ魚が消えてしまったのか」という点にある。南の隣国(※日本のこと)に目を向けてみよう。この国は数十年にわたり、確実に回帰するシロザケの増殖に注力してきた。昨年は12,000トンのサケが回帰したが、今年はわずか5,500トンだった。いずれにせよ、これらは長期平均と比べれば微々たる数字に過ぎない。参考までに表を添付しておく。過去2年間で、シロザケの回帰数がどれほど減少したかは一目瞭然だ。

したがって、「上流の密漁者」だの「RUZ(一時的な漁獲・増殖用施設)」だのといった、単純な議論はもうやめてほしい。これは地球規模で起きている現象なのだ。孵化場から海へ旅立った稚魚たちが、どこにも戻ってこない。どこへも戻らず、ただ消えてしまっているのである。(もちろん、基準となる4種における回帰率が10分の1に減少したと言う方がより正確だろうが、今回は学術論文を書いているわけではない)

答えはない。来年どうなるのかも不明だ。太平洋沿岸において極めて重要なサケ漁業の経済は、崩壊しつつある。

連邦漁業庁の傘下にある連邦単一企業『ナツリブレスルス』のデータによると、9月末時点でロシア国内のサケの卸売価格が前年比で急騰している。カラフトマスは1kgあたり650ルーブル(97%増)、シロザケは800ルーブル(74%増)、ベニザケは1,100ルーブル(36%増)にまで上昇した。

ベニザケの件はさておき、価格がほぼ倍増したということは(これは卸売価格の話であり、小売価格はさらに跳ね上がるはずだ)、控えめに言っても、サケ類が非常に手に入りにくいものになってしまったということであり、従来の販売市場や消費パターンを大きく揺るがす事態となっている。

ちなみに、中国や日本におけるロシア産サケの価格も同様の状況だ。「例えば、中国向けのロシア産カラフトマスの平均輸出価格は、昨年の9月には1kgあたり3.1ドルだったが、今年の9月には8.41ドル(171%増)にまで上昇した。日本においても、ロシア産カラフトマスの輸入価格は、この1年間で1kgあたり5.41ドルから8.99ドル(66.2%増)へと上昇している。(択捉島の地元紙「赤い灯台」テレグラム2026/10/24)

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