択捉島の漁師、チュウゴクモクズガニ(上海ガニ)の個体数急増に警鐘

択捉島の話題

「チュウゴクモクズガニ(※高級食材の上海ガニ):クリル(※北方四島のこと)の海域を変貌させる『来訪者』」―これは、21日の択捉島の地元紙『クラスヌイ・マヤーク』紙に掲載された記事のタイトル。この「招かれざる客」の到来は、地元の海洋生物、ひいては人間にとっても深刻な脅威となっている。現在、この種の個体数を抑制する有効な手段は見つかっておらず、カニは驚異的なペースで増殖を続けている。

モクズガニ類は東南アジアに広く分布し、高級食材として珍重されている。ロシア連邦漁業海洋学研究所の調査によると、これらは水田、池、湖、あるいは囲い地などで、魚と混養されるのが一般的だ。

この甲殻類は、垂直な壁を最大5メートルの高さまで登り、陸上を長距離移動し、最大100万個の卵を産み、汚染の激しい水域でも生存できる能力を持っている。その生息域は拡大し、各地で岸辺の侵食、インフラの閉塞、在来生物の駆逐といった被害をもたらしている。英国ではテムズ川を越えてイングランドやウェールズ全域の河川流域に定着しており、一度定着してしまうと、その脅威を排除する有効な方法は未だ確立されていない。

最大の危険は、この節足動物の食性ではなく、その「穴を掘る習性」にある。個体密度が高い地域では、1平方メートルの土壌に最大39個もの巣穴が確認された例もある。こうした穴掘り活動は、ダムや防潮堤などの構造を不安定にし、洪水の危険性を著しく高める。本種はすでに、ウェールズのディー川や北米・欧州の各地で、土木構造物に損傷を与えている。国際自然保護連合(IUCN)は、このカニを世界の水域生態系に対する最も破壊的な侵略的外来種の一つに指定している。

大陸間貿易ルートが幼生の移動を助長する一方で、地球温暖化は北の緯度地域における成熟期間を延ばしている。障壁の設置、商業的な捕獲、電気トラップなどによる個体数爆発の抑制が試みられてきたが、極めて高い繁殖能力と驚異的な生命力ゆえに、いずれも効果は上がっていない。また、このカニを食用とすることにも別のリスクが伴う。有毒な環境に生息しているため、その体内には有害物質が蓄積される。

チュウゴクモクズガニは、外来種が航路や分断された水路網、そして劣化が進んだ自然の生息環境を巧みに利用して定着・拡大した好例と言える。

アジア原産のこの外来種は、1912年にバラスト水に紛れてヨーロッパに持ち込まれた。天敵がおらず、塩水と淡水の双方で生きられるという特性もあって、ポルトガルからフィンランドに至る河川域に定着した。ロシアではネヴァ川やラドガ湖、さらには白海や黒海にも出現し、ヴォルガ川にまで到達している。魚を捕食したり、漁網に被害を与えたりするほか、堤防に多数の穴を掘って破壊することさえあるため、厄介な存在とされている。(sakh.online 2026/8/21)

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